明治神宮御苑とは、「ぎょえん」と読みます。関東の方は「御苑=ぎょえん」と読むのがほとんどですが、関東以外の方は「御苑=ごえん」と読む方もいます。
この明治神宮御苑は、明治神宮の境内にある、明治天皇・皇后ゆかりの庭園です。
こちらのページでは、明治神宮御苑(神宮御苑)の営業情報やアクセス、庭園内の見どころなどをご紹介しています。
明治神宮御苑の営業時間・入場料
営業時間(開苑時間)
3~10月 | 9時~16時30分 |
11月~2月 | 9時~16時 |
6月 | 9時~16時30分 |
※明治神宮の開門・閉門時間とは異なります。
※花菖蒲が見頃となる6月中は、開苑時間が延長になります。
2020年は新型コロナウイルス感染症による影響のため、開園時間の延長は行われません。
また清正井への通路は閉鎖中です。
休業日
- なし(年中無休)
入場料(御苑維持協力金)
- 500円
※明治神宮境内への入場は無料です。
明治神宮の開門・閉門時間や祈祷の受付時間などについては、当サイトの以下のページ↓でご紹介しています!
明治神宮御苑へのアクセス(行き方)
明治神宮御苑へ行くには、まず明治神宮の境内に入る必要があります。
明治神宮の入口は南、北、西にあり、このうち南と北は1本の参道で繋がっています。
御苑の通常の入口(北門)は、この南北に縦断する参道から大鳥居をくぐってすぐの場所にあります。
正月三が日・花菖蒲が見ごろとなる6月には「東門」が開門します。
御苑へ直接向かう場合のおすすめは、原宿駅方面から南参道を経由するアクセス方法ですが、もちろん、北(代々木駅方面)や西(参宮橋駅方面)からでも行くことはできます。
南側の境内への入口となる鳥居から御苑東門・北門までは、徒歩約5~6分です。
関連記事:明治神宮へのアクセス(行き方):「JR原宿駅(地下鉄・明治神宮前駅)」から明治神宮・本殿へ
明治神宮御苑の歴史・由来
明治神宮御苑は、江戸時代から、大名加藤家や井伊家の下屋敷(別邸)の庭園として使われていました。
1603年〜1867年は熊本藩主・加藤家の下屋敷として使用され、この頃に現在の御苑のベースができています。
その後、彦根藩・井伊家の下屋敷になり、この頃、三代目将軍「徳川家光」公も訪れています。
1868年の明治維新の後、宮内省(現在の宮内庁)が所轄する「南豊島御料地」となり、「代々木御苑」と称されるようになりました。
皇后が健康維持のため散歩をできるようにという明治天皇の意向により、菖蒲田や御釣台、歩道などが整えられた、皇室ゆかりの場所です。
ちなみに、明治神宮の御苑だけでも、面積は約83,000㎡あります。
面積の比較でよく例に挙げられる東京ドームの建築面積は46,755㎡ですから、明治神宮の御苑は東京ドームの約1.8倍の面積ということになります。
そもそも・・「御苑」とは?
御苑とは、皇室が所有する庭園(公園)のことを言います。
例えば、同じ「御苑」の名を持つ「新宿御苑」や「京都御苑」は、明治神宮御苑と同じく、明治時代に宮内省の管轄となった歴史があるため「御苑」の名称がついていますが、現在は環境省が管轄する「国民公園」となっています。
明治神宮御苑の見どころ
明治神宮御苑では、整備されている歩道に沿って、池や木々、花々など四季折々の自然を眺めながらの庭園散策ができます。
また、御苑の中には、以下のような見どころがあります。
- 隔雲亭(かくうんてい)
- 南池(なんち)
- 御釣台
- 四阿(あずまや)
- 菖蒲田(しょうぶだ)
- 清正井(きよまさのいど)
- ツツジ山
明治神宮御苑の内部は1本道になっており、以下の順番で観覧していくことになります。
入園受付(平常時は北門)隔雲亭南池御釣台菖蒲田四阿(あずまや)清正井ツツジ山入園受付(北門or東門)
それでは、それぞれについて詳しくご紹介します。
御苑内での注意点
- 三脚は使用不可
- 動植物の採取、餌やりは禁止
- ロープが張られている箇所は進入禁止!
- 四阿(あずまや/休憩所)は場所取り禁止!
- コロナ渦の期間中は1m以上は距離を空ける(できれば2m)
隔雲亭(かくうんてい)
御苑の北門方面には、「隔雲亭」と呼ばれる建物があります。
隔雲亭は、明治天皇が皇后のために建てられた休息所でしたが、戦時中にアメリカ軍の空襲によって焼失してしまいました。
現在のものは1958年(昭和33年)に、篤志家からの寄付と社殿造営残材によって一部を増築する形で再建されたものです。
通常は中に入ることはできませんが、時々お茶会が開催されています。
隔雲亭の庭の様子
御釣台
散策路から南池に少し張り出した部分が「御釣台」です。
明治天皇のご意向で設けられ、皇后も時々釣りを楽しまれたと伝えられています。
池の蓮は、毎年初夏になると美しい花を咲かせます。
池には鯉や水鳥もいますが、餌やりは禁止されていますのでご注意ください。
南池(なんち)
- 広さ:8300m2
この池は江戸時代に井池家の下屋敷時代であった頃に造池され、当初「お泉水」と呼ばれていたようです。これが事実だとするならば300年以上の歴史を有する池になります。
池の水は湧き出ているのではなく、清正井からコンコンと湧き出ている水が菖蒲園を潤しながらさらに流れ通り、溜水となった場所が最終的にこのような池になっています。
そして、この南池の最大の見どころとなるのが、「睡蓮(スイレン)」と魚です。
魚は明治天皇が昭憲皇太后への気遣いで放流されたものであり、種類としてはコイ(恋♡)、フナ、メダカが生息しています。
それらの魚を求めて、自然の連鎖で訪れるのがサギやカワセミなど鳥類です。冬になればカモやオシドリも訪れて羽を休める様子が見れます。
南池で観覧できる花鳥類の見頃時期
- カタクリの花・新緑:3月中旬〜4月初旬
- ヤマブキの花:3月下旬〜4月中旬
- フジの花:4月
- ヤマツツジの花:4月〜5月
- ハナショウブの花:5月下旬〜6月下旬
- スイレンの花:6月〜9月
- もみじ・紅葉:11月下旬〜12月中旬
- オシドリ・カモ類:11月〜3月
- カワセミ・ヤマガラ:通年
四阿(あずまや)
御釣台から北西に向かって歩道を歩いて行くと菖蒲田があり、中ほどに茅葺屋根の四阿があります。
小高い位置にあるため、菖蒲田を上から眺めることができます。
四阿とは・・?
「四阿(あずまや)」は「東屋」とも書き、庭園や公園などに休息などのために設けられる簡素な建物のことを指します。
四阿の「阿」には「棟」という意味があり、普通、「四阿」は、明治神宮御苑の四阿のように、四方に軒を下ろした「宝形造」または「寄棟造」の屋根を持っています。
菖蒲田(しょうぶだ)
明治神宮御苑の菖蒲田の花菖蒲は、毎年6月頃に見頃を迎えます。
この菖蒲田があることから、特に初夏の時期は御苑が「菖蒲園」と呼ばれることもあります。
御苑の菖蒲田は、明治天皇が昭憲皇太后(皇后)のために花菖蒲を植えたのが始まりと言われていおり、現在16枚あります。
明治神宮御苑で見られる花菖蒲の見頃や種類、菖蒲田の由来などは、当サイトの以下のページ↓でご紹介しています。
清正井(きよまさのいど)
菖蒲田から更に北上すると、「清正井」と呼ばれる井戸があります。
絶えずきれいな水が湧く井戸で、御苑内の南池の水源となっています。
「清正井」の名称は、かつてここに下屋敷を持っていた加藤清正が掘ったと伝えられることに由来しています。
清正井について詳しくは、当サイトの以下のページ↓でご紹介しています。
つつじ山
中には人の身長を超える樹齢100年を超える株も存在するという古くから当地にあるツツジです。ツツジ山は競馬で例えるならば第4コーナーを曲がって最後の直線へ差し掛かったあたり、順路で言えば最後に見られる御苑の見どころの1つです。
ツツジが群生する中にコナラや山桜が混じって自生しています。
ツツジの見頃時期ピークとなる4月下旬頃になれば、一面、薄紅色の花弁が咲き誇り、青々とした新緑とともに春から初夏を告げる饗宴をお楽しみいただけるハズです。
御苑に生息している魚
コイ(恋♡)、フナ、メダカ
御苑で観られる野鳥
ヒガラ、ウソ、キジバト、クロジオス、アトリ、ウグイス、クロジ、コマドリ、ツグミ、クイナ、コサメビタキ、ダイサギ、チュウサギ、ミゾゴイ、ツミ、ササゴイ、アオジ、アオゲラ
冬:ルリビタキ、トラグツミ、ミソサザイ、オシドリ
秋:ヒヨドリ、ノスリ、アカゲラ、オオタカ、カケス、エナガ
夏:キビタキ、カワセミ、ハイタカ、アオサギ、カモ、コゲラ
春:ヤマガラ、ジョウビタキ、ホオジロ、オオルリ
御苑の中に自生している木々・草花の種類
冬:ツバキ
秋:イイギリ
夏:ハナショウブ、スイレン、コウホネ、チリアヤメ、ハギ
春:ツツジ、サツキ、こぶし(4月上旬)、つつじ(4月下旬)、ヤマブキ、フジ
…etc
明治神宮が和歌でも詠まれたほどの静寂に包まれた御苑
明治天皇は、静寂に包まれた心地よい、そよ風が優しく吹きそよぐこの明治神宮御苑をいたく気に入り、以下のような和歌までお詠みになられています。
『うつせみの 代々木の里は しづかにて 都のほかの ここちこそすれ』
現在は国内外の観光客も多く、当時ほど静かではないかもしれませんが、それでも、大都会東京の中にいるとは思えないような、素晴らしい場所になっています。
明治神宮へお参りの際には、ぜひ、御苑にもお立ち寄りください!
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