出雲大社東京分祠の主祭神は、島根県の出雲大社と同じ「大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)」。あるいは別名の「大国さん」の方でも素敵に無敵に有名。
大国さんといえば、縁結びというよりは、どちらかというと福徳の利生で古今東西、広く知られる。
ただ、境内にある「祓社」は、出雲大社東京分祠にもともとあった建物ではなく、祀っている神様も違います。
「祓社」の歴史(由来)
歴史と由来のところで少し触れましたが、出雲大社東京分祠の祓社は、東京都渋谷区の実践女子学園の校内にあった「香雪神社(こうせつじんじゃ)」という神社の社殿でした。
香雪神社は実践女子学園の学祖であり、歌人としても知られる下田歌子(しもだうたこ)を祀る神社で、社名の「香雪」は雅号(本名とは別に名乗った名前)に由来しています。
戦後、残念ながら廃祀となってしまいましたが、ご神体は学園に残され、狛犬と鳥居は渋谷の金王八幡宮に、そして社殿は縁があってここ、出雲大社東京分祠に寄進されることになったのでした。
現在は「祓社」として、手水舎と共に、参拝前に心身を清める場所になっています。
高さは約2.4m、入母屋屋根に向拝(庇)がついた、質素ながら重厚感のあるお社です。
「祓社」のご祭神
祓社には、「祓戸大神(はらえどのおおかみ)」と呼ばれる以下の4柱の神が祀られています。
- 瀬織津比売(せおりつひめ)
罪や穢れを川から海へ流す役割を担う神 - 速開都比売(はやあきつひめ)
流れて来る罪や穢れを海の底で待ち構えて飲み込む神 - 気吹戸主(いぶきどぬし)
速開津媛命が罪や穢れを飲み込んだのを確認して、その罪や穢れをふくんだ息吹を根の国・底の国に放つ神
※根の国・底の国:日本神話に登場する異界。『古事記』によると、根の国の入口は黄泉の国と同じ。 - 速佐須良比売(はやさすらひめ)
根の国・底の国に持ち込まれた罪や穢れを消滅させる神
祓戸は祓所や祓殿、祓舎と呼ばれる禊(みそぎ)を行う場所のことで、そこに住まう祓戸大神は、上記のように役割分担をして、私たちの罪や穢れを清めてくれる、禊の神々です。
川や海で禊をする代わりにこの祓舎に詣でれば、心身が清められ、主祭神にお参りする準備が整うというわけです。
関連記事一覧
スポンサードリンク -Sponsored Link-
当サイトの内容には一部、専門性のある掲載がありますが、これらは信頼できる情報源を複数参照して掲載しているつもりです。 また、閲覧者様に予告なく内容を変更することがありますのでご了承下さい。